幕府将軍家から御庭番衆へ
密命が下った。
離天京という幕府が直轄していた
収容施設の調査。
その黒幕「覇業三刃衆」による
国家転覆計画。
三刃衆・・・其の中に白い肌をした
秘剣を操る男「九鬼」
一子相伝であるその秘剣、
師であり、己が実父を
殺害した義兄も
「九葵 刀馬」と云った。
秘伝の書、
『冽水と烈水交わりし時、
日は昇りて流水、天に昇らん』
今でも、書の投げ掛ける真意は
分からない。
義兄だったアイツは知っているのか。
つまらぬ過去を思い出した己に
苦笑する蒼志狼。
密命に従い斬るだけの事。
「・・・・・・いざ、参る」
涼しげな瞳をした天才剣士が、
宿命を逆登るように離天京へと向う。 |