柳生十兵衛プロローグ
 

“オニ”のそんざいを
はんぞうからしったじゅうべい。

しかしじゅうべいは、ふせいをはたらく
やくにんをこらしめるヤクメが
あるため、うごけずにいた。

じゅうべいは、“オニ”のいっけんを
にがいきもちで、はんぞうにたくした。

そんなあるひ、しょうぐんから
じきじきのめいれいをうける。

将軍
「じゅうべいよ、おまえのしごとは
 みんしゅうをくるしみから
 かいほうすることであろう」

「みんしゅうはいまや
 ふはいしたやくにんどもより
 “オニ”にきょうふしているときく」

「じゅうべいよ、
 おぬしのチカラをもって
 “オニ”をたいじするのだ!」

十兵衛
「は、はぁっ!やぎゅうのなにかけて
 かならずや“オニ”を
 しとめてみせましょう!」

ひだりめのがんたいが、にぶくひかる。

十兵衛
「おくれをとったが
 “オニ”よ、まっておれ!
 かならずこのてでセイバイいたす!」

 

思惑